地域特性に応じた低炭素型都市?産業システムの構築
ごみ焼却場や下水処理場といった環境施設は、高度経済成長期における都市活動の拡大や都市への人口集中に対応するために整備され、廃棄物処理の役割を担ってきました。しかし、低炭素社会や資源循環社会への移行が地球的課題になる中、こうした施設に求められる社会的役割も変化しつつあります。それは、廃棄物として扱われてきたものをエネルギー資源に転換する、地域のエネルギー基地への進化です。一方、わが国は、人類が初めて経験する長期的な人口減少社会を迎えようとしています。それゆえ、地球環境時代に呼応したエコロジカルな施設への革新を図りながら、同時に人口減少社会にも適した規模や形態へとつくり替えてゆくモデルを、世界に先駆けて追究しなければなりません。こうした背景から、地域特性に応じて環境施設を集約化したりダウンサイジングする将来計画の立案や、廃棄物をエネルギーに転換する技術の導入による環境負荷低減効果の評価、生成したエネルギーを近隣の工場や他施設と連携して賢く利用するシステムの構築などの研究に取り組んでいます。これらの研究では、GISという空間解析ツールを用いて、計画や評価を支援する方法論の開発も進めています。