和歌山大学における障害のある学生への支援の基本的な方針
平成26年4月1日 学長裁定
令和7年3月28日 最終改正
Ⅰ.基本理念
和歌山大学(以下「本学」という。)は、多様な学生が、相互に人格と個性を尊重し合う共生社会の形成に寄与することを目指し、全ての学生の学びと成長の機会を確保するための取り組みを行う。この理念を背景として、障害のある学生(以下「障害学生」)に対する支援を推進し、個々の障害学生の権利保障を行うことに務めるものである。また、こうした取り組みが、より開かれた大学として、本学の価値や魅力を高める重要な要素であり、地域共生社会の実現に資するものであると認識し、教職員(非常勤職員を含む。以下「教職員」という。)が能動的且つ確実に取り組むものとする。
Ⅱ.目的
本方針は、教職員が障害学生支援に関する共通認識をもち、適切な支援を行うために定める。なお、障害学生支援に関する詳細な事項は、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する和歌山大学教職員対応要領」を参照する。
Ⅲ.支援体制について
本学の障害学生支援において、合理的配慮を含む修学支援の主たる責任は、障害学生が所属する学部?学環?研究科等(以下「学部等」という。)が担うものとする。ただし、支援の検討範囲は、修学上必要となる合理的配慮の提供等に限らず、入試、学校行事、正課外の活動、就職活動等、教育研究に関する全ての事項に及ぶ。そのため、各部局がそれぞれの機能の範疇において、障害学生支援に主体性をもって取り組んでいく必要がある。これらの障害学生支援を安全かつ適切に遂行するために、キャンパスライフ?健康支援センターキャンパスライフ支援部門(以下「支援部門」という。)が窓口となり、専門的な知見に基づいた助言?連携を実施し、障害学生とそれに対応する教職員への支援を行う。
Ⅳ.「不当な差別的な取り扱いの禁止」と「合理的配慮の不提供の禁止」
2016年4月1日に施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」により、国立大学において、障害者への「不当な差別的取扱いの禁止」と「合理的配慮の不提供の禁止」が義務付けられている。それに基づき、本学教職員は、学修の主体が障害学生本人にあることを踏まえ、当人の意向を尊重しつつ、個々の状態?特性等に応じた合理的配慮を提供する。本学における合理的配慮の流れは次の通りである。
①障害学生本人が申請書および根拠資料を支援部門に提出する。
②支援部門と学部等が配慮内容の必要性と妥当性について検討?協議する。
この過程において障害学生本人との相談や調整等が必要な場合は、適宜、建設的対話を行う。
③支援部門が学部等に協議の結果を通知する。
④学部等が合理的配慮の提供について、最終決定を行い、授業担当教員および
支援部門に通知する。その後、支援部門から障害学生本人に通知する。
⑤授業担当教員が障害学生本人および必要に応じて支援部門や学部等と相談しつつ、
通知内容に基づいて具体的な調整を行い、合理的配慮を実施する。
Ⅴ.障害学生支援における留意点
- 障害学生への個別対応のみならず、障害を理由に学生の教育を受ける権利が不当に損なわれないよう、基本的な環境を整備し、権利保障の基盤を形成するために尽力する。
- 合理的配慮において、障害学生のニーズは時期や環境に応じて変化していくため、障害学生の現状や環境の変化等を把握しつつ、慣例や前例に囚われずに配慮を検討し、提供する必要がある。
- 大学が社会参加に至る前の最後の教育機関となる可能性が高いことを踏まえ、障害学生が自己理解を深め、セルフアドボカシー(自己権利擁護)の力を身に付けて自己決定できるように支援する。
Ⅵ.その他
- 障害学生の個人情報については「国立大学法人和歌山大学における個人情報の保護に関する規程」に基づいて扱う。
- 安定的かつ効果的に障害学生支援に取り組んでいくために、専門的な人材の育成?配置に努める。
- 障害学生支援をより適切に実施するために、同分野のネットワーク(全国協議会、各種の拠点事業、地域ネットワーク等)を活用する。また、他大学や行政、労働?福祉機関、民間企業等の学外機関との連携を促進する。
- 本方針については、社会情勢や環境の改善状況を踏まえつつ、関係者や諸機関との意見交換を基に、必要に応じて適宜見直すこととする。
附則 平成26年4月1日
この方針は、平成26年4月1日から施行する。
附則 令和元年5月13日
この改正方針は、令和元年5月13日から施行する。
附則 令和7年3月28日
この改正方針は、令和7年3月28日から施行する。
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