プロジェクトタイトル | 日本におけるダークツーリズムと困難な歴史―場所が持つ仲介的機能に焦点を当てて |
研究ユニット | Development |
代表者 | Richard Sharpley |
メンバー | 加藤 久美, 吉田 道代 |
プロジェクト期間 | 2018年5月1日~2019年3月31日 |
プロジェクト概要 | 本研究は、日本におけるダークツーリズムの場所が持つ仲介的な機能に焦点を当て、これらの場所によって表象される「困難な」歴史を抱えた現世代の人々において、こうした場所を通じて、どのように、そしてどの程度まで認知?理解?受け入れが促されるのかを認識し、批判的に評価することを目的とする。また、こうした事例調査の結果を用いて、日本文化におけるダークツーリズムの意味を概念的に探求し、最終的にはその成果を本として出版することをめざす。こうした本は、困難な歴史の(再)提示における幅広いテーマと経過、結果を明らかにするうえで、大きな学術的貢献をなすと考えられる。 |
活動報告
本プロジェクトにおいては、日本におけるダークツーリズムの場所が持つ仲介的な機能に焦点を当て、これらの場所によって表象される「困難な」歴史を抱えた現世代の人々において、こうした場所を通じて、どのように、そしてどの程度まで認知?理解?受け入れが促されるのかを認識することを目的とし、(1)戦争、(2)自然災害、(3)社会の3領域を調査することとした。「戦争」に関しては、第二次世界大戦時に空軍?海軍の特攻隊基地がおかれた場所4ヵ所と毒ガス製造工場の跡地、「自然災害」に関しては2011年3月11日に震災被害を受けた福島の村、「社会」に関してはハンセン病療養施設、東欧のユダヤ系難民が日本で上陸した場所を訪れ、データを収集した。調査の成果は、以下の通りである。
<論文>
Sharpley, R., & Kato, K. (forthcoming). Confronting difficulty past. In Sharpley, R., & Kato, K. (Eds). Tourism in Japan: Regional and community perspectives. London: Routledge.
<学会報告>
Sharple, R. (2019). Dark heritage and dissonance: Kamikaze tourism, Japan. The 15th annual Tourism and Hospitality Research in Ireland Conference, Athlone, June 2019. Kato, K. (2018). Slow spiritual tourism. Recovering spiritual engagement in Fukushima Community. Keynote address at 10th Annual International Religious Tourism and Pilgrimage Conference, 27-30 June, 2018, University of Santiago de Compostela, Spain.