1背景と目的
東日本大震災後,ネットワークを利用した支援や研究が多く行われました.しかし,災害時や災害後は輻輳などによりネットワークが利用できないことが多いです. また,避難所の場所などの情報を知らない土地で災害に遭った場合,どこへ避難すればいいのかわからない状態になり,すぐに適切な避難ができません. さらに,災害時にシステムを利用する際,そのシステムが初めて使うものであったら,すぐ機能を理解し操作することは困難です.
以上のことから,災害時や災害後に利用するシステムについて以下の3つの問題点が挙げられます.
①オフライン時にシステムを利用できない
②知らない土地では災害時に避難情報が把握できない
③災害時にいきなり,システムを使えない
そこで,3つの問題点を解決案を以下のように提案しました.
①解決案:日常的に必要なデータをオンライン時に取得しておく
②解決案:日常的に避難情報をシステムが提供する
③解決案:日常的にシステムを利用する
日常的にシステム利用するが大事であると考え,本研究では日常的に利用可能な避難支援システム「あかりマップ」の開発を行いました.
2日常的に利用可能な避難支援システム「あかりマップ」
「あかりマップ」は日常的に利用することで,地元でも出先でも避難支援情報を受け取ることができます.また,このシステムはAndroid携帯用のアプリです. (避難支援情報:避難所や食糧のある場所などの,災害時における避難支援に役立つ情報)受け取った避難支援情報は,地図画面とウィジェット画面に表示されます.
3システムの機能
図1に「あかりマップ」のシステム構成図を示します.平常時のネットワークがあるときは,以下の3つのことを行います.
?情報提供者がサーバへ避難支援情報を登録(図1-①)
?利用者の位置情報をもとに,サーバから周辺の避難支援情報を送信(図1-②)
?送られた避難支援情報を利用者の端末に表示(図1-③)
災害時のネットワークないときは,以下の1つのことを行います.
?オフライン時には端末に保存してある情報をもとに避難支援避(図1-④)
図1. システム構成 |
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(1) 地図機能
本機能では,サーバから利用者現在地周辺の避難支援情報を受け取り,地図上に表示します.図2に地図画面例を示します. また,避難支援情報はカテゴリに分かれており,それぞれアイコンが用意されています.アイコンをタップすることで詳細情報が表示されます.図3にカテゴリ別アイコンを示します.
図2. 地図画面例 |
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図3. カテゴリ別アイコン |
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(2) 避難支援情報登録機能
避難支援情報は閲覧するだけでなく,登録することができます.図4に登録画面例を示します.また,登録する情報を表1にまとめます.
図4. 登録画面例 |
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表1.登録する内容 | ||||||||||
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(3) ウィジェット機能
Android 端末は,ホーム画面にウィジェットと呼ばれる簡単な機能を持ったアプリを表示できます.本機能ではウィジェットに,定期的に現在地周辺の避難支援情報を,近い順に3つ表示します.図4にウィジェット画面例を示します.
図5. ウィジェット画面例 |
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4利用イメージ
口頭発表
- 濵村朱里,福島拓,吉野孝,江種伸之:災害直後の避難支援を目的とした常時利用型災害時支援システムの開発,情報処理学会第75回全国大会,4ZF-2,第4分冊,pp.815-816(2013-03).
連絡先
- 浜村 朱里:s155037 at center.wakayama-u.ac.jp
- 吉野 孝:yoshino at sys.wakayama-u.ac.jp