【レポートup!】第36回わだい浪切サロン「家庭?地域だからこそできる大学生への就職支援-学生の自立?自律力育成を目指して」
公開日 2011年10月19日
日時: 平成23年10月19日(水)19:00~20:30
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話題提供者: 本庄 麻美子(経済学部キャリアデザインオフィス助教)
【当日のレポート】
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和大の就職状況は決して悪くはなく、現時点の求人数から単純計算すると1人当たり4.5社の求人がある。とはいえ、全国的にみて、2012年3月卒業生の求人倍率は1.23倍。かつての「就職氷河期」ほどではないが、現在の大学生の就職環境が厳しいことは事実。
要因は企業の厳選採用にある。近年、日本企業は外国人や転職者、第二新卒といった幅広い層からの採用を増やしている一方、新卒者採用は予定人数を満たしていなくても基準を下げて採用することをあまりしなくなっている。
もう1つ気になる傾向は、就職後3年以内に約35%が離職するという高い離職率。理由には、「就職活動の早期化?長期化」、「情報過多」、「周囲に流される」、「希望通りの進路決定ができない」といったことがあるが、そうした就職環境のなかで、学生たちは自分にとって“働く”ということの意味を見失ってしまいがちである。その結果、就職後にミスマッチが起こり、早期退職につながっていると考えられている。
? 学生の側に問題がないわけではない。社会で求められる力(「社会人基礎力」)と最近の学生の特徴とは対照的である。求められている社会人基礎力とは、①シンキング(疑問を持ち、考え抜く力)、②アクション(一歩踏み出し、失敗してもあきらめない力)、③チームワーク(多様な人々と目標に向けて協力する力)。他方、特徴的な学生の問題点は、①何事にもすぐに明確な“答え”を求め、考えるクセがついていない。②失敗や挫折の体験が少ない、あるいはまったくない。③与えられることが当たり前で、自己中心的であったりコミュニケーション力が不足している。
今日の就職環境や求められる社会人基礎力をふまえて、家庭ではどのような就職支援ができるのか。先ず、保護者には親世代の就職活動との違いを理解したうえで、学生に接してもらいたい。そして、“やってはいけない4つのこと”――「親の価値観の押し付け(“働く”ことの価値基準はそれぞれ違う)」、「過保護(日常生活のなかで自立を促す)」、「無関心(相談に応じる姿勢、親の関心は子どもの安心につながる)」、「他者との比較(地域差が大きい)」――にも注意を払ってほしい。つまり、親は子どもが納得する進路決定ができるように支援することが役目だと考え、適度な距離を保ちつつ、子どもの自立?自律を促すことが大切。
最後に、和歌山大学のキャリア教育の取り組みについて。先ず、和大生への評価は自分たちで思っているよりも高いことに自信をもってほしい。多くの和大卒業生たちが実社会で活躍している実績があり、その点で社会的な評価が高い。また、幅広い受験科目が必要な国立大学生の学力バランスの良さは高い期待値につながっている。
また、和大のキャリア教育で重視していることの1つは、学生が地域から学ぶこと。学生には、地域社会や地域の人たちとのつながりのなかから、「何を学ぶのか」、「なぜ学ぶのか」といったことを考えてもらいたい。また、そのような大学?学生と地域との接合点を見出していく教育がキャリア教育でもあると考えている。本日、浪切サロンの講師として来てみて、和大の地域拠点である岸和田サテライトとキャリア教育とが連携して何か一緒にできることはないだろうかと感じている。
?<ひとこと>
「キャリア教育=就職指導」と狭く考えていました。本庄先生のお話を聴き、学部カリキュラム全体がキャリア教育なのであり、キャリア教育とは大学教育そのものなのだと思いました。とりわけゼミの指導教員の役割が大きいとのことにも納得しました。
保護者世代と学生世代とでは大学教育に求められる“内容”や“質”が変化しています。大学はかつてなくキャリア教育に力を注がざるを得ません。そこでキャリア教育がマニュアル化してしまっては本末転倒ですが、社会人としての基礎力を目的意識的に育むという意味では、今日の大学ほど恵まれた学習環境はないのかもしれません。ただし、そうなるためには、教職員と学生が、そして地域もが、目的を理解し積極的に関わりあうことが大切なのですね。(M)
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会場 | 〒596-0014 岸和田市港緑町1-1 岸和田市立浪切ホール4F研修室1 [アクセス] |
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開催日時 | 平成23 年10月19日(水) 午後7時~8時半 |
参加費 | 無料 |
申し込み | 不要 |
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