和歌山大学における人権に関する基本理念
Basic Philosophy on Human Rights at Wakayama University
基本的人権は、全ての人がその尊厳に基づいて持つ固有の権利である。和歌山大学は、基本的人権を重んじ、本学構成員が相互に人格と多様性を尊重し合い、快適に学び、働くことのできる環境を整えるとともに、その取り組みと啓発活動により、人種、信条、性別、障害の有無、社会的身分、門地あるいはその他のいかなる個人の属性による差別を被ることのない社会を作るために貢献する。
Basic human rights are inherent in everyone and grounded in dignity. Wakayama University respects basic human rights and develops an environment where students and staff members respect each other’s personalities and diversity and can learn and work comfortably while contributing to creating a society where people are not discriminated against because of race, beliefs, gender, disability, social status, family origin, or any other personal attributes by making the aforementioned efforts and conducting awareness-raising activities.
和歌山大学 ダイバーシティ?エクイティ?インクルージョン推進宣言
Wakayama University Declaration of Promotion of Diversity, Equity, and Inclusion
和歌山大学では2019年11月に基本的人権を重んじ、多様性を尊重する「和歌山大学における人権に関する基本理念」を公表しました。この基本理念では、人種、信条、性別、障害の有無、社会的身分、門地あるいはその他のいかなる個人の属性による差別を被ることのない社会を作るために貢献する必要性が表明されています。同時に「和歌山大学におけるSOGI(Sexual Orientation and Gender Identity)の多様性に関する基本方針」も公表され、基本的人権を重んじる大学として、人格と多様性を尊重し合い、快適に安心して過ごせる教育?研究環境を整えることを表明しました。
2019年11月の「人権に関する基本理念」および「SOGIの多様性に関する基本方針」公表以前より、和歌山大学では男女共同参画推進室(2010年7月発足)を中心として、多様性と平等の尊重に関する取組を継続してきました。これまでの学内における取組の経緯を踏まえ、学内コミュニティの多様な価値観を保障し、すべての構成員の尊厳を守り、すべての構成員がお互いに尊重し、尊重されることによって多様で包摂的なキャンパスのあり方を実現するために、和歌山大学はここに「和歌山大学 ダイバーシティ?エクイティ?インクルージョン推進」を宣言します。
1.人権の尊重、公正な機会の保障、差別禁止
和歌山大学は、人種、国籍、信条、宗教、性別、性的指向、性自認、障害の有無、社会的身分、門地あるいはその他のいかなる個人の属性にかかわらずすべての構成員の尊厳を守り、教育?研究?雇用における公正な機会を保障するため、すべての差別を禁止します。
2.DEI推進のための環境?制度整備
和歌山大学は、すべての構成員が誇りをもち、帰属意識が促進されるために、研究?教育?社会連携に関わるあらゆる場面で多様性を尊重しあうことができるための適切な配慮を行い、全ての構成員がみずからのもつ潜在的可能性に挑戦できる環境?制度の整備を行います。
3.無意識の偏見の断絶、意識啓発
和歌山大学は、無意識の偏見を断絶することで多様なすべての構成員を尊重する環境を実現できるよう、意識啓発や環境?制度の整備を促進します。
令和5年9月22日
和歌山大学長 本山 貢
和歌山大学DEI推進宣言(20230922制定)[PDF:69.3KB]
Wakayama University announced the Basic Philosophy on Human Rights at Wakayama University in November 2019 to respect basic human rights and value diversity. This basic philosophy emphasizes the need to contribute to creating a society where people are not discriminated against because of race, beliefs, gender, disability, social status, family origin, or any other personal attributes. At the same time, the Basic Policy on Diversity of Sexual Orientation and Gender Identity (SOGI) at Wakayama University was also announced. Wakayama University made it clear that it would develop an educational and research environment where people respect each other’s personalities and diversity and can spend time comfortably with peace of mind as a university respecting basic human rights.
Since before the announcement of the Basic Philosophy on Human Rights and the Basic Policy on Diversity of Sexual Orientation and Gender Identity (SOGI) in November 2019, Wakayama University has made continued efforts to respect diversity and equality through the Office for Gender Equality Promotion (established in July 2010) playing a central role. In light of the efforts that have been made at the university, Wakayama University declares Wakayama University Diversity, Equity, and Inclusion Promotion to realize a diverse, inclusive campus environment by guaranteeing diverse values within the university community, protecting the dignity of all students and staff members, and encouraging mutual respect among them.
1.Respect for human rights, guarantee of fair opportunities, prohibition of discrimination
Wakayama University prohibits any kind of discrimination to protect the dignity of all students and staff members regardless of race, nationality, beliefs, religion, gender, sexual orientation, gender identity, disability, social status, family origin, or any other personal attributes and guarantees fair opportunities in education, research, and employment.
2.Development of an environment and system for DEI promotion
Wakayama University pays proper attention so that all students and staff members can respect diversity in every situation related to research, education, and cooperation with society and develops an environment and system where they can develop their potential to make them proud of themselves and foster a sense of belonging.
3.Elimination of unconscious bias, awareness raising
Wakayama University promotes awareness-raising activities and the development of an environment and system to realize an environment where all the diverse students and staff members are respected by eliminating unconscious bias.
November 22, 2019
Decided by the Education and Research Council
和歌山大学 ダイバーシティ?エクイティ?インクルージョンガイドライン
制定?:2025年3?28?
1.人権の尊重、公正な機会の保障、差別禁止
1-1 就学/学生生活について
- 総合相談窓口において学修および学生生活に関わるすべての困りごとに関する相談を受け付け、人権を尊重し、すみやかに対応します。
- 「ハラスメント等の防止等に関する規程」別紙1「ハラスメント等の防止等のために和歌山大学教職員が認識すべき事項についての指針」のうち、「5 アカデミックハラスメントになり得る言動 (2)就学や進路を妨害すること ①就学の権利を侵害すること」にある事項、「5 アカデミックハラスメントになり得る言動 (3)研究室において不当に強制すること」にある事項および、「5 アカデミックハラスメントになり得る言動 (6) 身体?精神的暴力を加えること」を防止するための措置?対応を行います。
《ハラスメント等の防止等に関する規程》別紙1「ハラスメント等の防止等のために和歌山大学教職員が認識すべき事項についての指針」 5 アカデミックハラスメントになり得る言動 (2)就学や進路を妨害すること ①就学の権利を侵害すること ? 授業中に人格をおとしめる言動や、教員の学説等に従わせようとする脅迫的な言動を行うこと ? 成績の不当な評価を行う。あるいは評価に無関係な事柄を成績に結びつける発言をすること ? 求められた教育上の指導を正当な理由なく拒否すること ? 常識的には不可能な課題達成を強要すること (3)研究室において不当に強制すること ? 研究室に早朝から深夜までいることや、泊まりでの実験を強制すること ? 休日を一切とらせないこと ? 研究室内の雑用をある特定の個人に集中してやらせること ? 教育研究とは無関係な学外での私的交際を強要すること (6)身体?精神的暴力を加えること ? 暴力をふるったり体罰を加えたりすること ? 教育研究に関連して、名誉や人格を著しく傷つけるような発言をすること ? 不当な仲間はずれを行うこと |
- 外国人留学生の日本での生活に対応のため日本人学生によるバディ制度を実施します。
- 外国人留学生の学習支援のため日本人学生によるチュータ制度を実施します。
- 外国人教員が安心して教育研究活動に専念できるように学内の事務手続き支援とともに銀行口座の開設、国際免許証取得、居住地域の小中学校の情報など生活支援も実施(相談に対応)します。
- 留学生、外国人教員の困りごとに対する支援を拡充していきます。
- 就職活動においては様々な段階で性別の振り分け(履歴書の性別欄、証明写真、服装、髪型など)が紐づいていることがあります。そのような社会的背景に苦しむ学生に留意して就職活動を支援していきます。
- セクシャルマイノリティ当事者の就職活動は、カミングアウトして進めるのか、クローゼットにするか、企業からの理解をどのくらい求めるのか等、さまざまなことを検討していくことになります。学生個々に応じた個別相談に対応し、自分らしく社会へ移行するにはどうすればいいか、ともに考え、支援していきます。
- 就職活動において、障害者雇用として進めるのか、クローゼットにして一般雇用で進めるのか、企業からの理解をどのくらい求めるのか等、さまざまなことを検討していくことになります。学生個々に応じた個別相談に対応し、自分らしく社会へ移行するにはどうすればいいか、ともに考え、支援していきます。
- 外国人留学生個々に応じた個別相談に対応し、就職だけでなく、進学や起業などを含めた卒業後のキャリア形成について、ともに考え、支援していきます。
2.DEI推進のための環境?制度整備
2-1 就学/学生生活について
- 「和歌山大学におけるSOGI(Sexual Orientation and Gender Identity)の 多様性に関する対応ガイドライン」のうち「3.授業について」にある事項について措置?対応を行います。
?和歌山大学におけるSOGI(Sexual Orientation and Gender Identity)の 多様性に関する対応ガイドライン?「3.授業について」 ?授業(演習、実習を含む)において、性別で区別した活動は、特に必要な場合以外は行わないようにしてください。 ?学生に対する呼称を男女で使い分けないでください。「さん」に、統一することを推奨します。外国語の授業における呼称についてもこれに準じてください。 ?授業では、その場にセクシュアルマイノリティがいることを前提として接し、差別的なニュアンスを持つ言葉やジェスチャーは使わないようにしてください。そして見た目や氏名でジェンダー?セクシュアリティを決めつけないようにしてください。 ?教育実習やインターンシップを含めた学外での実習で想定されるトイレや更衣室、服装等に関して事前に相談するように学生に周知してください。また大学としても学外機関にできるだけの対応を依頼するようにします。 |
- 上記項目に関連して、とくにスポーツ実習科目におけるDEI推進のための環境?制度整備を改善していきます。
- 性別情報の取り扱いについて、特に必要な場合を除き、履修者名簿等における性別欄は設けません。
- 「和歌山大学における障害のある学生への支援の基本的な方針」のうち「Ⅲ.支援体制について」にある事項の措置?対応を行います。
?和歌山大学における障害のある学生への支援の基本的な方針?「Ⅲ.支援体制について」 本学の障害学生支援において、合理的配慮を含む修学支援の主たる責任は、障害学生が所属する学部?学環?研究科等(以下「学部等」という。)が担うものとする。ただし、支援の検討範囲は、修学上必要となる合理的配慮の提供等に限らず、入試、学校行事、正課外の活動、就職活動等、教育研究に関する全ての事項に及ぶ。そのため、各部局がそれぞれの機能の範疇において、障害学生支援に主体性をもって取り組んでいく必要がある。 これらの障害学生支援を安全かつ適切に遂行するために、キャンパスライフ?健康支援センターキャンパスライフ支援部門(以下「支援部門」という。)が窓口となり、専門的な知見に基づいた助言?連携を実施し、障害学生とそれに対応する教職員への支援を行う。 |
- 多様な宗教に対応した祈りのための部屋を設置しています。必要に応じて改修等を進めます。
- 多様な宗教における食文化への対応をすすめます。現在は生協食堂においてハラル食を提供しています。
- 異文化理解と交流促進を促すため、外国人留学生を講師として多言語サロンを実施します。
- 日本人学生と留学生が参加する見学旅行を実施します。
- 留学生と日本人学生が交流する塚本治雄国際交流スクエアを設置します。
- 国際的な多様性に対応した授業科目を実施し、授業実施の際には多様性に配慮した対応(グループ設定、多言語実施など)を行います。また、このような授業科目を実施することにより、多様性への対応力向上をはかります。
- 近年は LGBTQフレンドリー企業として情報公開する企業や、学生とマッチングするイベントやサイトもあります。これらの情報収集につとめ、学生に周知していきます。
- 近年は障害者雇用を推進する企業が積極的に情報提供を行い、学生とマッチングするイベントやサイトもあります。これらの情報収集につとめ、学生に周知していきます。
- メンタル不調や修学面で困難を抱えている場合、一般的な就職のほかにも、就労支援を受けながらキャリア形成を目指す場合もあります。必要に応じて、学外支援機関等とも協力し支援を行っていきます。
- 日本特有の就職活動の仕組みや、日本企業における特有の文化?雇用慣行があります。そのため、それらをより理解できるよう、外国人留学生に向けた説明等の機会を増やし、情報提供をしていきます。
- 就職を希望する外国人留学生が卒業?修了までに就職が決まらなかった場合、必要に応じて、学外支援機関等とも協力し支援を行っていきます。
2-2 施設整備について
- 「和歌山大学におけるSOGI(Sexual Orientation and Gender Identity)の 多様性に関する対応ガイドライン」のうち「6.施設整備について」にある事項について措置?対応を行います。
?和歌山大学におけるSOGI(Sexual Orientation and Gender Identity)の多様性に関する対応ガイドライン?「6.施設整備について」 ?本学では、体育館のロッカー、更衣スペース、シャワー室および陸上競技場脇の更衣室が男女別となっています。更衣室の使用について、個別対応を希望する場合には、事前に相談するように学生?教職員に周知し、申し出があった場合は関係機関と調整し対応してください。 |
- オールジェンダートイレの設置をすすめます。
- 学内のサインについて多言語化をすすめます。
- すべての構成員がみずからのもつ潜在的可能性に挑戦できる環境整備のために、バリアフリー対応施設へ改修をすすめます。(スロープ設置、点字ブロック設置、身障者対応エレベーターの設置、多目的トイレの設置、バリアフリーマップの作成など)
3.無意識の偏見の断絶、意識啓発
3-1 就学/学生生活について
- 社会化の過程を見直すことによって、偏見、ステレオタイプに気づき、自らの価値観、文化を相対化させながら、多様な価値観、生き方を認めあうことができるようになる授業科目を実施します(授業科目「日本学演習」「日本学概論」)。
- 多文化共生、障害者、LGBTQなどに配慮した取組を授業、フィールドワークとして実施します。
- 無意識の偏見の断絶のため、教職員を対象とした人権やアンコンシャスバイアス、多様性への対応、インクルーシブな社会などに関する研修を毎年実施します。
3-2 施設整備について
- 施設整備を行う際に、無意識の偏見にとらわれないことを意識します。
- 無意識の偏見の断絶のため、教職員を対象とした人権やアンコンシャスバイアス、多様性への対応、インクルーシブな社会などに関する研修を毎年実施します。