外国人観光客を対象とした防災知識提供システムにおける情報提示手法
公開日 2020年12月04日
和歌山大学国際観光学研究センター(CTR)研究員である吉野孝教授(システム工学部)、永井隼人講師(観光学部)、佐野楓准教授(観光学部)、ブレント?リッチー本学特別主幹教授(クイーンズランド大学)らの共著論文が学術誌「情報処理学会論文誌」に採録されました。
論文タイトル
外国人観光客を対象とした防災知識提供システムにおける情報提示手法
著者
志垣 沙灯子(和歌山大学システム工学部)
吉野 孝(和歌山大学システム工学部)
永井 隼人(和歌山大学観光学部)
佐野 楓(和歌山大学観光学部)
ブレント?リッチー(和歌山大学国際観光学研究センター/クイーンズランド大学経営?経済?法学部)
書誌事項
情報処理学会論文誌 (2021年1月)
https://www.ipsj.or.jp/journal/info/accept/october.html
要旨
日本は観光大国になりつつあり,訪日外国人観光客数は年々増加している.一方で,日本は地震や台風といった自然災害が多い国である.外国人観光客は日本で災害に遭遇した際に,何が起きたかを理解できない可能性があり,日本語がわからない外国人の場合には,情報入手も困難である.そこで本研究では,外国人観光客に自発的に使ってもらえる防災知識提供システムを開発し,情報提示手法について検討した.最初のアプローチでは,正解?不正解のある二択クイズを用いた.しかし,災害時の行動には必ずしも正解とはならない場合があり,自分で適切な行動を考えなければいけない状況が起こりうる.そこで,正解のない二択クイズを用いた情報提示手法を提案した.さらに,外国人観光客は,訪問先の観光地で遭遇する可能性のある災害に関する防災知識を知っておく必要があることから,観光地の立地に応じた防災知識を提供する情報提示手法を提案した.本論文では,各情報提示手法の概要と有用性検証実験について述べ,提案手法が一定の効果を示したことを示す.
キーワード
防災知識,外国人観光客,観光,漫画,クイズ